医師主導治験スタディマネジャーのための
オペレーション支援ツール
平成14年の薬事法改正以降、医師主導治験の研究成果が承認申請に用いることができるようになり、薬事承認による臨床応用の実績も増えてきた。医師主導治験が臨床開発戦略のひとつとして認知されつつあり、実施件数の増加とともに、医師主導治験に関与する臨床研究専門職も多くなってきている。なかでも、スタディマネジャー(※)の役割が注目されてきた。
(※)スタディマネジャー(StM)の定義
医師主導治験において、治験調整医師及び自ら治験を実施する者が行う業務に協力するとともに 、治験を円滑に推進するために、計画的かつ効率的に運営管理する者

しかし、スタディマネジャーが医師主導治験の企画立案から治験総括報告書の固定に至るまでの一連のプロセスを経験するためには、数年を要することに加え、対象疾患の希少性や、評価対象の治験物の多様性により、経験を一般化しにくいことが課題である。
そこで、過去に得られたノウハウを集約し、経験を共有化・資産化することを目的として、スタディマネジャーが医師主導治験のオペレーション業務を実施する際に役立つ、オペレーション支援ツールを開発した。本ツールが、多くのスタディマネジャーの業務の一助となるとともに、治験調整事務局業務の標準化につながることを期待している。
ツール利用にあたっての留意事項
- 本ツールは治験薬を用いた医師主導治験を前提に作成しています。治験機器や再生医療等製品などを評価対象とする医師主導治験の場合には、適切に修正した上で使用してください。
- 医師主導治験の試験デザインや実施体制に合わせて、適宜修正の上ご活用ください。
- 本サイトでは医師主導治験用のツールとして公開いたしますが、医師主導治験に限らず、臨床研究にもご活用ください。
- 令和2年3月時点でのGCP及びその他関連文書等に基づいて、ツールを作成しました。利用にあたっては、最新のGCPその他関連通知等を参考に必要に応じて修正してください。
- 本ツールの利用によって発生する利用者側のトラブルや損害賠償問題等については、日本医師会では何ら責任を負いません。
StMツールマップ
- 各ツールの効果的な作成・更新期間の目安を示しました。
- バーの濃色(紺色)は初版の作成期間、淡色(水色)は更新が必要な期間の目安です。淡色のみの表示は、期間中、随時更新が必要と考えられるツールです。
- 左端のNo.は、公開時(2020年7月)の管理番号を示しています。

ツールの概要(公開:2020年7月/最終更新:2021年8月)
- ツールの概要を示しました。
- 内容のプレビューには「閲覧用PDF」を、実際に使用される場合には「編集用ファイル」をご利用ください。
- 左端のNo.は、公開時(2020年7月)の管理番号を示しています。
試験計画を見える化するツール
試験全体の管理ツール
業務と役割を明確化するツール
実施医療機関との情報共有・管理ツール
安全性情報の取扱い関連ツール
症例管理ツール
No | ツール名 | ツール概要 | 閲覧用PDF | 編集用 ファイル |
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c6 | 症例進捗管理一覧 | 登録症例の進捗状況を確認、管理するためのツールです。治験のデザインにより変更が必要になります。 | ![]() |
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c7 | 逸脱管理一覧 | 発生した逸脱の管理及び治験総括報告書の付録(表16.2.2 治験実施計画書から逸脱した症例)に活用するためのツールです。 | ![]() |
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総括報告書付録の作成準備ツール
その他の参考ツール
*:厚生労働科学研究<医療技術実用化総合研究事業(治験推進研究)>研究事業(区分D)「医師主導治験の円滑化・効率化に関する研究」班(平成22~23年度)において作成した一部ツールを、2021年にStMツールWGで更新しました。
日本医師会 StMツール WGメンバー 2019~2021
京都大学医学部附属病院 先端医療開発機構 笠井 宏委
株式会社CTD 伊豆津 美和
ノーベルファーマ株式会社 開発部 風見 葉子
国立成育医療研究センター 臨床研究センター 菊地 佳代子
東北大学病院 臨床研究推進センター 大塚 佑基
国立がん研究センター東病院 臨床研究支援部門 研究推進室 福谷 美紀
日本医師会治験促進センター 大矢 久美子
慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター 松嶋 由紀子(2019)
筑波大学 つくば臨床医学研究開発機構 臨床研究推進センター 山口 ひとみ(2019)
東京都健康長寿医療センター健康長寿イノベーションセンター 吉岡 まみ(2019)
ヤンセンファーマ株式会社 メディカルサイエンスリエゾン部 内山 麻希子(2019)
本研究に関するお問い合わせ先
治験促進センター 研究事業部
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