研究概要

 医師主導治験における自ら治験を実施する者は、これまでの企業治験で医療機関が果たしてきた「臨床試験を実施する」という従来の役割に加え、企画・立案・総括という新たな責務も負うことになります。また、GCPで求められている医師主導治験の責任と品質は、企業治験とほぼ同じですから、これに適うような医師主導治験を行うためには、必要な組織体制を構築するとともに、組織の壁を越えて横断的包括的に臨床試験全体を運営・管理することが必要となります。
 この運営・管理にあたっては、広い範囲に及ぶ調整業務が発生します。例えば、標準業務手順書等の作成、治験届の提出等に関する調整、データマネジメントや解析、メディカルライターなどの業務委託に関する調整などがあります。また、多施設共同臨床試験を行う場合には、複数の医療機関のスタッフが治験に関与するため、情報の伝達・共有、疑義事項への対応など多施設間を調整する業務も発生します。
 本研究では、医師主導治験、特に多施設共同試験を実施する際に重要となるこれらの治験調整事務局業務について検討しました。


【目的】
 医師主導治験の調整管理業務の実態を把握し、問題点を明らかにした上で、調整事務局の位置づけや業務の定義、および標準化を行う。さらに、組織・体制に応じたITシステム導入の可能性も想定して、効率的なモデル業務となるよう、考慮する。


【研究方法】
 本研究では、以下の3つを実施することで、医師主導治験の調整管理業務を検討する。
(1)医師主導治験の実施体制の調査
(2)治験調整事務局のモデル標準業務手順書の作成
(3)ITシステム候補抽出とプロジェクト管理サイトの作成


【研究期間】
 平成22年8月20日から平成23年3月31日まで


【研究組織】
研究代表者
笠井 宏委 京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター
研究分担者
青谷 恵利子 (故)
伊豆津 美和 株式会社CTD
川島 弓枝 滋賀医科大学医学部附属病院 臨床研究開発センター
松嶋 由紀子 慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター
風見 葉子 (元)北里大学臨床研究機構 臨床試験コーディネーティング部